制御盤ではいつものpHだったのに、分析報告書には違う値が出ている。すぐに計器の故障や薬品不足と判断せず、同じ排水を同じ条件で比べているか確認してください。
pHは水の酸性・アルカリ性を表す指標です。比較の出発点は、採水時刻と位置、温度、測定方法、校正の記録をそろえることです。違う条件で得た数字から、薬注の変更を決めないようにします。
切り分けるのは、比較する測定条件、計器・校正の状態、排水そのものの変化の3点です。それぞれの記録を並べると、次に確認する対象を絞りやすくなります。
同じ時刻、同じ場所の排水を比べていますか?
常時測定する計器の表示と、別の時刻に採った試料の結果は、そのまま比較できません。処理槽と放流口など、採水場所が違えば、処理の段階も変わります。
| 比較の条件 | 現場側で残す記録 | 分析側に確認すること |
|---|---|---|
| 時刻 | 表示を読んだ日時 | 採水・測定の日時 |
| 場所 | 計器の設置位置 | 試料を採った位置 |
| 温度・状態 | 測定時の条件 | 試料の測定条件 |
| 計器の確認 | 機種と校正履歴 | 測定方法と校正条件 |
例えば、処理途中の槽内の値と、処理後に採水した値を比べていたなら、まず対応する試料条件を整理します。これは比較の考え方であり、具体的な試料の保存・採水は分析機関の指示に従ってください。
校正記録では何を確かめますか?
校正は、既知の値を持つ標準液で計器の指示を調整することです。HORIBAの基礎解説でも、標準液と温度を考慮した校正、機器の説明書を優先することが示されています。
現場では最終校正日、使用した標準液、記録した結果、電極の点検履歴を確認します。担当者が違う場合も、実施した事実と結果が追える書式にしておくと役立ちます。校正間隔や操作方法は機種と現場条件によって確認してください。
計器の交換か、排水の変化かをどう分けますか?
値がずれ始めた時期と、洗浄・槽交換・使用薬品の変更を並べます。電極の汚れや状態が疑われる場合は、説明書に沿った点検を担当者やメーカーに依頼します。
校正の異常と工程変更が同時に起きている可能性もあるため、最初から原因を一つに決めません。記録がない箇所は未確認とし、必要な比較測定の条件を分析機関や設備会社と合わせましょう。
増澤技研にはどこまで相談できますか?
増澤技研の排水処理サービスでは、排水分析と設備運用の検討が行われます。計器の表示と工程・分析結果の関係を共有することで、確認する範囲を相談できます。
計器の故障診断や校正作業の対応可否は、機種と契約条件を示して個別に確認してください。設備の制御に関係するため、原因が分からないまま設定値や薬注量を変更しないことが大切です。
よくある質問
Q. 外部分析の値だけを正しいとしてよいですか?
測定時刻、場所、方法などの条件を確認して比較します。数字の違いだけで原因や測定の適否を断定しません。
Q. 校正していれば計器の点検は不要ですか?
不要とは限りません。電極の状態や記録も、説明書に従って確認します。
Q. どちらの値に合わせて薬品を増やせばよいですか?
この記事から薬注を決めることはできません。比較条件と設備の状態を整理し、運転責任者・設備会社へ確認してください。
条件を整理して、次の相談へ
pH計の機種、表示を控えた時刻、分析試料の採水条件、校正記録を添えてご相談ください。排水と計器のどちらを確認するか整理します。
関連記事:排水分析データの読み方 / 設備の日常点検
参考情報
- HORIBA:pH計の校正について(確認日:2026年10月5日)
- 増澤技研のサービス(確認日:2026年10月5日)
排水処理設備の新設・更新・基準超過対策は増澤技研へ
原水分析、処理方式の検討、薬注条件の見直し、装置製作、設置、試運転、運用支援まで一貫して対応します。重金属排水・フッ素排水の基準超過リスク、薬品費・汚泥処分費の削減、既存設備の改善もご相談ください。
